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2005.03.23

「観世宗家幽玄の美」

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香雪美術館は阪急御影駅徒歩5分。
住宅地の中、こじんまりした建物。
隣には「弓弦破」神社。

このあたりは、ひろびろと空がひらけていて明るい。
道は山に向かって上り坂。
ケーキ屋があったりブティックがあったり、
知らない土地を歩くのは楽しい。

京都にもこのくらいの規模の美術館がある。
いずれも出発は個人所蔵のものらしい。

ここは朝日新聞社主の所蔵品を集めたところ。
とっつきにあった銅像と説明はちゃんと読まなかった。
(後で反省)

さして広くない二階建て。
一階には、能舞台の作り物がミニチュアで並げてあり
可愛くて、思わず惹きつけられる。

特別展示の中心は二階。
古文書2点
能面7点

装束9点
鬘帯、腰帯、中啓

小物類と舞台写真(「松浦作用姫」「箱崎」)

夕方だったので人は少なく、若い娘さんに
説明している中年紳氏の声がずっと聞こえている。

どの展示も良かったが
なにより驚いたのは「面」
とくに女性の面の「泥眼」は
艶やかでひややかで、
「こんなうつくしいものをかけて舞ってはるんや!」と
しみじみ観た。
魅入られるような、静かに深い沈黙があった。

もう一点は「慈童」
ただの子供の笑みではなく、
この世のものならぬところで微笑んでいる。
年齢不詳の不気味ともいえる愛らしさ。

扇(中啓)は勝修羅と負修羅が並んでいて
どちらも使い込んだものであるのがいっそう興味深い。
昔のものがまだ充分使われていてしかも
彩色がややあせた所さえも趣がある。

装束では、「写し」として新しく復刻したものを
元のものと並べて展示してあった。
くっきりと明るい色合い。
昔はこんなに鮮やかだったのか!
(「紅白段市松御所車文様唐織」)

と見る気持の後から、
どうして古いもののほうが懐かしく思えるのだろう?と
疑問が。

そうか、古いものには、着た人や観た人のなにかが
纏わりついて、ずーっと長い年月を経てきたのだ。
だから、見ている私はその装束に降り積もった年月も
ともに見ているのだな、と納得したのは

外へ出て、神社の境内で休んだときだった。
ここも、古びたお社で、大きな木が天まで伸びていて
いかにも古い時代を感じさせる。
本殿は修理中。
まだまだここに神は住まいせられるそうな。

(おまけ)
舞台写真、面の写真等があったが、どれも素晴らしく綺麗。
どなたの写真か確かめなかったのがまたしても残念。

実物のほうが美しいのは言うまでもないが、
写真にさえ表われる魅力って?とまたはてなが増えた。

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» 香雪美術館に行ってきました [「能楽の淵」管理人日記]
 神戸の御影にある香雪美術館に「観世宗家 幽玄の美」展を見に行ってきました。  その前に。写真は香雪美術館隣の、弓弦羽神社の桜です。このところのポカポカ陽気に誘われて一気に桜が満開でした。桜というのは不思議な木です。一年のうち、この時期だけに集中的に目立って咲く。だから存在感がありますし、見る方も他の花とは少し違った感想を受けます。とりあえず、話題に触れずにはいられない。  香雪美術館は朝日新聞社の創業者・村山龍平(号・香雪)のコレクションを元に美術館とされたもので、住宅地の中にあるこじ... [続きを読む]

受信: 2005.04.09 10:01

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