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2005.04.02

「咲嘩」と「石橋」

記事が長くなるので、「梅若六郎の会」後半はこちらに。

   その前に、
いつもの「能楽堂の設備」についてちょっと(汗)
過不足なく行き届いている、と言う点では
「国立」「横浜」「名古屋」
はいい会場だ。
(音響など、演じる人の感じ方はわからないが)

京都の金剛能楽堂が最近新しくなったが、
座席、じゅうたんの色、庭のつくりまで国立能楽堂に
よく似ていて驚いた。

座席の幅がひろいめなのが新しい建物の特徴。
これだと隣の人と肘が触れあわずに楽。
列の間もゆったりめだから立ち上がって人を
通さなくてもいい。

というわけで、名古屋能楽堂は
4月から鏡板が「若松」に替わったそうだが、
このときはまだ「老松」

すらすらと始まった「咲嘩」
又三郎さんの軽妙な太郎冠者と
立派な小三郎さんの主人。

まちがえて太郎冠者が連れてくるすっぱの「咲嘩」が
井上さん。
(はじめて名古屋に来た時、「仏師」のすっぱが井上さん!だった)
大笑いでも華麗でもないのだが、
とても見やすくてセリフもくっきりしている。

最後に咲嘩に降りかかる不幸も
何故か、「やれやれ大変」という太郎冠者のほうに
肩入れしてしまって、申し訳ない気がする。

難を言えば、「狂言」のときの見所はざわついていた。
にもかかわらず、飄々と語る又三郎さん、
お元気でお変わりなく…好きだなあ。

再びみな舞台に注目
(お調べが始まる)
半能「石橋」
笛 藤田六郎兵衛 小鼓 成田 達志 大鼓 河村総一郎
太鼓 助川 治 

藤田さんの笛はたいそう好きだ。弟子の竹市さんの笛を
聴く機会が多いが、彼よりもうすこし枯れていて、
色合いに透明感が増す。

成田さんは関西の舞台で度々拝見。
もっとも好きな小鼓方のひとり。

河村さん、助川さんはまだ音に馴染みがない。
(私はあまり数をみていないので)

獅子が出てくるまで、ワキ方の高安さんが
法師の役で出て、“石橋”について語る。
そのあとで

狂言方が仙人役で登場(小三郎さん、松田さん、佐藤さん)
酒盛りが始まる。

獅子を待っているのだが、この仙人たちとても芸達者。
小三郎さんの謡、うまいなあ!
面も三人三様で、獅子の足音?(気配)を察して
退場する。

これがちょうどよい間狂言になっているのだろうな。

さてさてやっとお待ちかね六郎さんの獅子が
橋懸りから疾駆してくる。

大きな紅白の牡丹がついた一畳台に飛び乗ったり飛び降りたり
堂々とした獅子の動き。
ゆるぎのない確かさ。
これが六郎さんの獅子なのかと、うっとりと観ていて
飽きることがない。

でも台の上で手をついて型をされたとき、
肩が少し震えていた。
見えている以上に激しい動きなのだな。

縦横に舞っている獅子、視界はほんの少しのはず。
お囃子の力強さはいうまでもなく
急調子に盛り上がり、すぱっと、終わる。

台からゆっくりと降りしっかりと足踏みしめて
帰っていく獅子の「息遣い」が見所じゅうに聞こえている。

この後姿を覚えておこう。
楽しく伸びやかなに舞って後、ゆうゆうと帰っていく獅子を。

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