« 執心晴れて…「浮舟」 | トップページ | 「信長が宿敵 本願寺顕如」 »

2005.11.11

「舟渡聟」

狂言は茂山家の公演で、けっこう数をみたのだが、
この「舟渡聟」ははじめて。

萬さんところの狂言を観るのは、年に一度あるなしだけど、
たいそう良かった。

きりきりと緊張してみないといけないほどの、
圧迫感もなく、
万蔵さんの顔はとても明るくて好感度抜群だ。

萬さんは、琵琶湖の矢橋の船頭の役だった。
「髭」が自慢の酒好きな
おもしろいおじさんである。

せっかく聟が舅に、持ってきた良い酒を
聟だと知らないものだから
せびりにせびって、うまうまと半分がとこ飲んでしまう
そのやりとりがじつに楽しい。
しかめ面して、酒樽を振り、中味の減り具合をたしかめている
万蔵さんの顔、なんともいえないおかしさがある。

聟が来ていると言われてそっとのぞいたら、
さっきの舟の客だったことを知り、
逃げ出そうとする舅もまた、かわいくておかしい。

ふたりの軽妙なやりとりの陰で、
骨太な女房を演じるのが小笠原さん。
アイ狂言で何度かであっているが、
聞きやすいよい声とはっきりした発音が快い。

女姿はややいかついが、迫力があって、
おやじはとてもかなうものではないと
変なところで納得する。

客席にすこし空きがあるのが残念なくらい、
からりとしておおらかな狂言だった。
舅と聟とふたり、扇をかざして舞うところなど、
良い間合いでとても楽しめる。

家それぞれに面白さが違うのが
このところ狂言をみていて楽しい理由である。
萬さんたちの狂言は、
ほどのよさがなんともいえない。
小笠原さんはともかく、
関西での出演がもう少し度々あれば、と思う。

※ 【舟渡聟】舅 野村 萬 聟 野村 万蔵
       女房 小笠原 匡

|

« 執心晴れて…「浮舟」 | トップページ | 「信長が宿敵 本願寺顕如」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/78456/7045316

この記事へのトラックバック一覧です: 「舟渡聟」:

« 執心晴れて…「浮舟」 | トップページ | 「信長が宿敵 本願寺顕如」 »