« 2007年10月 | トップページ | 2007年12月 »

2007.11.22

“鋭い”少年マンガ…「犯さん哉」

実際の年齢を知ってたので
古田さんの「中学生役」がおかしくてたまらない。
いちばん最初が“世界の終わり”で
華々しい爆発から劇は始まる。

「ハダカ」あり、とは
見る前からブログなどで知ってはいたが、
ブリーフいっちょの古田さん
肌はつやつやおなかたぷたぷ
以前はその小太りさが嫌いだったのだが
いつからかしら
まったく平気で、キュートだなんて思ってる始末
理由がはっきりしてないけど
すっかりお気に入り役者のひとりだ。

ケラさんの劇のスピードはすごく速い。
どの台詞もギャグで、ついてゆくのが大変だ。
考えていると置いて行かれてしまうので
わからなくてもこだわるのをやめて
次のセリフを追いかける。
あとで同行の娘に聞いてみたら
半分くらい聞き落としていた。
顔や仕草の面白さはすぐにわかるが
言葉に仕込まれている笑いを解読するのは難しい。

とりたてて
はっきりした筋書きがあるわけではない。
おおまかに、中学生時代、
大人になってから、との二部仕立て。

どのひとも生き生きと面白い。
台詞量も、古田さんだけが際だって多いわけじゃないし、
どの部分をとっても見どころ、と言う仕組み。

役の中で一番めだってたのが
山西さん演じる女子中学生…「バケモノ」
顔が大きすぎてバランスが変、
遠近法が狂ってしまいそうである。
いじめられっこのアラタ(古田さん)に
ちょっと惚れてるという設定で
やたらに可愛くはにかむのがまた変でおかしい。

もうひと役演の「ハゲ編集長」
(ドリフのコントに出てくるようなひと)
こちらは年相応の落ち着いたおかしさだった。

大倉孝二の姿がよくてびっくり、
しょぼくれたひとだと思ってたのに、
からだつきが猫科の動物を思わせるしなやかさで目立った。

犬山イヌコ、アラタの母役のときは、いままで聞いた声。
(いわゆるアニメ声)
ところが色っぽい美人編集者になったときは
全然違う大人の声、と使い分けがうまい。


さりげないセリフが後で効いてくる。
ひとつの場面がおかしくて笑っていると
まったく違うつながりにワープするなど
その自在さにびっくりしっぱなしだった。

小道具が秀逸
というか、作り物だとわかっているけどぎょっとするのだ。
あかちゃんの人形や
腸の模型(ずるずる出てくるのが気味悪い)。
そういえば「犬は鎖につなぐべからず」でも
いかにもの犬や鳥が出てきたっけ。

連続コントのようにパカパカと場面が変わる。
上手
中央
下手

手前
右上
五、六カ所で次々に芝居がされるので
今度はどこに役者が登場するのかな、と
視線をあちこちに飛ばす。


何と言っても軸はアラタ
貧乏にも負けず健気で
才能(?)を活かしてゴーストライターになり
ひとりの男を抹殺し(硫酸ぶっかけて)
世界の終わりにただひとり

そしてだあれもいなくなり…

と思ったら
怪魚からぬるぬるした体で復活する。

もうこのころには
わけがわからなくてもいいや、と思って笑っていた。


とびきりのおまけは
三回あったカーテンコールの最後に
作者のケラさんが登場したこと。
植木鉢のオリヅルランみたいな髪型で
しかも金色のメッシュ入りだ。
はにかんだ風情がとてもかわいい。

また何人か新しい役者さんたちとであった。
生で舞台を観る楽しみはこれかなあ。

☆☆☆☆
2007年11月1日(木)
シアター・ドラマシティ
「犯さん哉」
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
音楽:斉藤ネコ

キャスト
古田 新太…アラタ
八十田勇一…ユウイチ・主治医他
姜 暢雄…星くん・覗く女他
犬山 イヌコ…アラタの母・女性編集者他
中越 典子…ノリコ他
山西 惇…バケモノ・編集長・まむし他
大倉 孝二…コウジ・少年院の看守他
入江 雅人…マサト・長髪の編集者他

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.11.10

初めての寄席・天満天神繁昌亭

てんまてんじんはんじょうてい
行きたしと思えど…と一年あまり。
誘ってくれる友人がいて、重くなっていた腰を上げた。
「天満宮」横、と地図で調べ、
京阪の天満橋駅から商店街をあるく。

天神橋筋商店街
京都の寺町どおりほどの広さの道幅で、
もっともっと長くい。
ひやかしながら楽しくあるく。
意外にファッションの店が少ないね、などど言いながら。

大きな通りを渡ってまたアーケードの下をあるく。
すぐの横丁の向こうに真新しい建物とびっしりの幟が見えた。
よしよしあれこそ繁昌亭。
早かったので、並んだのは三、四番目。

中は思ったよりずっと小ぶりだ。
二百席ちょっとだからどこに座っても高座はしっかり見える。
「ツウ」らしき男性に
「どのへんがよろしやろ」と聞いた。
「あんまり前やとしんどいでっせ」との答え。
なるほどそれならトイレに行きやすい側に座ろう。
通路横の席を取り、それからゆっくりあちこち見学に歩く。

何もかもがこじんまり。
洋ものの劇場とはえらい違いだ。
売店にはさまざまなグッズが揃い、
法被姿のおじさんたちは親切だ。(むろん売店の売り子さんも)
何も買わなかったけど、こんどはおみやげを買おう。

三時間も腰が保つかしら
何を見に行ってもそれが心配
しかし次から次と演者が変わるので
気分が変わってけっこう平気だった
お手洗いにも行きやすかった。

お客は圧倒的!に高齢者
わたしなんか、若いほうかも。
車いす用の席も用意してあった。
落語ばかりでなく、手品や浪曲もある。
何もかも珍しく、たくさん拍手した。
(浪花節なんて半世紀ぶりだもの)

一席の時間は短いがその間に
笑いの大中小がきっかり分かれるのが不思議だった。
新作、古典、知らない噺のほうが多い。
古典をもっと知っていれば知ればさらに楽しかろう。
後で詳しいひとに聞いてみた。
(“ちはやぶる”“あわびのし”“ちりとてちん”など)

ハネて表に出ると、さっきまでの出演者が
法被を着てのお見送りであった。
チケット売り場のかたも含め
愛想がとてもよくて、これはまた、ぜひ来たい気になる。
こんなに大笑いしたのは久しぶりだ。

順番に登場する演者さんたち、
顔や噺もだがつい声(話し方も)を比べてしまう。
「ええなあ」と気に入ったひとが三人もあった。


自宅からは京阪特急を使って一時間半、
天満橋から地下鉄に乗り換えると、
歩く距離が短いらしい、夏冬ならそのコースを取ろう。

開場の太鼓がじつに浮き浮きといい音だった。
敲くのは前座さん(名前は…忘れた、ごめんなさい)
鳴り物はやっぱり生がいい。
こうして初めての寄席は、「きっとまた来ようね」と
確かめ合いながら終わった。

次の機会を、とパソコンで日程を調べて驚く。
十一月中は昼席が完売。
夜席も残り僅か。
これだと一か月前に予約しないと再訪は無理。
N○Kのドラマ“ちりとてちん”も人気になっているから
しばらくはきっぷ取りにくそうだ。
地味に地元の落語会を探そう。

2007年10月24日 13:00~16:00 於 繁昌亭
  
  桂    さん都
  林家   花丸
  笑福亭 銀瓶
  笑福亭 智之介(マジック)
  桂    米輔
  笑福亭 松喬

   ~仲入~

  笑福亭 鶴二
  桂    春雨
  菊池  まどか(浪曲)
  笑福亭 仁智
  
  
  

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007.11.09

穏やかなマドンナ「岩崎宏美コンサート」

いまのうちに綺麗な声を聞いておきたくて
岩崎宏美のコンサートに行った。
築五十年の会館は、古びてくたびれている。
風致地区にあるので
まわりの風景はほとんど変わっていない。
美術館、動物園、図書館、勧業館、能楽堂などなど。
東山もくっきり見える。

むかしは豪華だと思った、椅子やロビー
いまみると大仰で
トイレも数は多いが和式が多く
建て替えの噂があるのもわかる。

七割くらいの入りなのがちょっと寂しいが
そのぶん楽に見られた。

客の年齢層は高い。
隣の男性、多分四十過ぎ、
反対の隣は親子連れ。
MCで
「二十代のひと拍手していただけますか?」と
本人から質問があった。
答はぱらぱらとまばらな拍手。
三十代もほぼ同じくらいのぱらぱらさ。
「えーっ、みなさん四十代以上ですか!
長生きしてくださいね」

本音だろうなあ。

この会館、いつも思うが音響がよくない。
声がなんとなくくぐもって聞こえるのが、残念だ。
でもそれを跳ね返すように
声はよく伸び、音はしっかりと危なげがない。

遠くからだとほっそりとたおやかな体型は
むかしとちっとも変わってないように思える。

第一部は
カバー曲が中心
語りが素直で品がいい。
そのぶんおもしろみに欠ける、が
伸びやかな声を聞いているだけで
体にみずみずしいものが満ちてくるような気がする。

嬉しかったのが
ミュージカル「レ・ミゼラブル」からの
“ファンチーヌ”の歌。
ほかの歌はさらりとした歌い方なのに
この歌はメリハリが効いていて
この夏にみた舞台を思い出して涙腺がゆるんでしまう。

つやつやしたサテン地のピンクのドレス、
肩を出したデザインがかなり若々しい。
かかとの高いミュールも同系色。

第二部はヒットメドレー、
聞きたかったのは阿久悠の曲だが
どの曲もきもちがよく聞けて飽きない。

ただ、新曲の「シアワセノカケラ」は
いまの若い人の“つぶやき”に
メロディを乗せたような感じで、風景がみえない。
iPodで聞けばいいのかもしれないが
わたし(おばさん)には面白くなかった。

言葉が痩せてきているとおもうのは
としよりの繰り言なのだろうが、
細分化した好みにはついていきかねる。

コンサートの最後の曲は、「マドンナたちのララバイ」だった。
わたしは「思秋期」のほうが好きだが…。
拍手もひときわ大きかった。

彼女のヒット曲は、知ってはいても
濃い記憶があるわけではない。
それがかえって新鮮で楽しかった。

長い間拍手しても
なかなかアンコールのためのライトが点かなかったのは
衣装替えのためだった。
さっきの黒の大人っぽいものとがらりと変わって
ふんわりした淡い色のドレス。
四度のお召し替えだった。


曲は本田美奈子の持ち歌で、声の質も内容にぴったり。
「レミゼ」仲間だとトークあり。
カバー曲の中ではこれが一番よかった。

この夜一曲だけアカペラで聞けた。
タイトルは「月見草」
マイクなしで響いた声は澄んでいて可憐で
大ホールの後ろまでしっかり届いていた。
満員だったらよかったのに。

2007年10月29日  午後6時30分開演 於 京都会館
  「岩崎宏美コンサート」 Life+

| | コメント (0) | トラックバック (1)

« 2007年10月 | トップページ | 2007年12月 »