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2007.11.09

穏やかなマドンナ「岩崎宏美コンサート」

いまのうちに綺麗な声を聞いておきたくて
岩崎宏美のコンサートに行った。
築五十年の会館は、古びてくたびれている。
風致地区にあるので
まわりの風景はほとんど変わっていない。
美術館、動物園、図書館、勧業館、能楽堂などなど。
東山もくっきり見える。

むかしは豪華だと思った、椅子やロビー
いまみると大仰で
トイレも数は多いが和式が多く
建て替えの噂があるのもわかる。

七割くらいの入りなのがちょっと寂しいが
そのぶん楽に見られた。

客の年齢層は高い。
隣の男性、多分四十過ぎ、
反対の隣は親子連れ。
MCで
「二十代のひと拍手していただけますか?」と
本人から質問があった。
答はぱらぱらとまばらな拍手。
三十代もほぼ同じくらいのぱらぱらさ。
「えーっ、みなさん四十代以上ですか!
長生きしてくださいね」

本音だろうなあ。

この会館、いつも思うが音響がよくない。
声がなんとなくくぐもって聞こえるのが、残念だ。
でもそれを跳ね返すように
声はよく伸び、音はしっかりと危なげがない。

遠くからだとほっそりとたおやかな体型は
むかしとちっとも変わってないように思える。

第一部は
カバー曲が中心
語りが素直で品がいい。
そのぶんおもしろみに欠ける、が
伸びやかな声を聞いているだけで
体にみずみずしいものが満ちてくるような気がする。

嬉しかったのが
ミュージカル「レ・ミゼラブル」からの
“ファンチーヌ”の歌。
ほかの歌はさらりとした歌い方なのに
この歌はメリハリが効いていて
この夏にみた舞台を思い出して涙腺がゆるんでしまう。

つやつやしたサテン地のピンクのドレス、
肩を出したデザインがかなり若々しい。
かかとの高いミュールも同系色。

第二部はヒットメドレー、
聞きたかったのは阿久悠の曲だが
どの曲もきもちがよく聞けて飽きない。

ただ、新曲の「シアワセノカケラ」は
いまの若い人の“つぶやき”に
メロディを乗せたような感じで、風景がみえない。
iPodで聞けばいいのかもしれないが
わたし(おばさん)には面白くなかった。

言葉が痩せてきているとおもうのは
としよりの繰り言なのだろうが、
細分化した好みにはついていきかねる。

コンサートの最後の曲は、「マドンナたちのララバイ」だった。
わたしは「思秋期」のほうが好きだが…。
拍手もひときわ大きかった。

彼女のヒット曲は、知ってはいても
濃い記憶があるわけではない。
それがかえって新鮮で楽しかった。

長い間拍手しても
なかなかアンコールのためのライトが点かなかったのは
衣装替えのためだった。
さっきの黒の大人っぽいものとがらりと変わって
ふんわりした淡い色のドレス。
四度のお召し替えだった。


曲は本田美奈子の持ち歌で、声の質も内容にぴったり。
「レミゼ」仲間だとトークあり。
カバー曲の中ではこれが一番よかった。

この夜一曲だけアカペラで聞けた。
タイトルは「月見草」
マイクなしで響いた声は澄んでいて可憐で
大ホールの後ろまでしっかり届いていた。
満員だったらよかったのに。

2007年10月29日  午後6時30分開演 於 京都会館
  「岩崎宏美コンサート」 Life+

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受信: 2007.11.13 18:07

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