« 生きることのせつなさは…「わが闇」 | トップページ | 明るく楽しく“乞食”が踊る「ベガーズ・オペラ」 »

2008.02.20

ホールと神社…名人会と勉強会

寄席を体験してみてすっかり落語のファンになった。
「繁昌亭」はいつも満員で
チケットも取りにくい。
そこで今回は「東西名人会」なるものに行ってみた。

場所は、演劇でなじんでいるシアタードラマシティ。
さあて舞台のしつらえはどんな風だろう、と見ると
白地の屏風に見台が置いてあるだけ。
座布団は華やかな青だったが、
とてもあっさりしている。

寄席の華やかさとは対照的だ。

広い空間の真ん中に
「たったひとりきり」というのは
どんな気分のものなんだろう。
この日も開演よりよほど前から満員御礼。
やっぱり年齢の高い男が目立つ。
落語って男のひとが好む芸なのだろうか。

関東から柳家喬太郎、
後は全員関西勢、大阪の雰囲気いっぱいだった。
意外にも、その喬太郎の噺が一番面白かった。
笑わせ方もおおげさではなく、
小気味いいテンポで話が進み、
サゲまでテンションが落ちなかった。

もちろん地元勢もそれぞれ熱演だったが
寄席ではぴったりくるくすぐりや
ややきわどいネタが
このホールの広さでは
なんとなく拡散する感じがする。

どのひとも座布団から伸び上がったりして
おおきな所作だったのは、
客席の後ろまで、笑いが届くように、だったのだな。
後ろの席から、交代の合間に
「ちりとてちん」についてのうんちくが洩れ聞こえる。
この満席、やっぱりドラマの影響もあるようだ。

休憩十五分をはさんで二時間半、
たっぷりきけたなと感じたし、
ベテラン揃いだったけど
寄席で聞く落語のほうが面白い。

第八回 朝日東西名人会
2008年 1月24日(木) 午後6時半開演
桂 春菜   「昭和任侠伝」
柳家 喬太郎 「粗忽長屋」
笑福亭 鶴光 「木津の勘助」
    中入り
笑福亭 仁智 「トクさんトメさん」
桂 南光   「素人浄瑠璃」


また別の日に、地元でやっている
米朝一門の「勉強会」を見に行く。
東山安井の安井金毘羅会館といえば
大きな通りの面して鳥居のあるところだ。
お参りしたことはないけど知っている。
交通の便もよかったので出かける。
夕方から強い寒さ、
遠かったら遠慮していたと思う。

開演一時間前に、すでに三十人ばかりの列ができている。
常連らしい人たちが
「今日はすごいね」「よね吉さん出はるしかいなぁ」
などと話している。
ここでも“ちりとてちん”ブームか。
テレビとはすごいものだ。

大広間の床の間の前に高座。
ちょっと狭くて上り下りが大変そうだ。
三味線の音が気分を出している。
桂米朝一門の若手は
ここで初高座を飾るお弟子さんが多いそうな。
後で調べて気がついた。

中庭に面したガラス戸の近くに
座布団席を確保したのが三十分前。
ところが、どんどん人が詰めかけてくるので、
廊下にもびっしり座布団が並び、
手洗いに行きくても通りにくい状態である。
前座さんから「もうちょっとお詰め願います」と
二度、三度と声がかかり、
ほんとに膝が触れあうほど、満員電車の中みたいになった。

正座で八席聞くのは、じつはかなりつらい。
ただ、どの人の噺も力がこもっていて、
知ってる噺も初めての噺も
それぞれに面白いから何とか我慢できた。
この狭さとマイク無しの地声なのが
かえって味わいが出てよい。
よね吉さんが登場したときの拍手はひときわ大きかった。
じつはわたしも彼が出ると知ってやってきたのだ。

老練な雀三郎さんの新作落語
同年代としては懐かしさこのうえなし。
よね吉さんの「ちはやふる」
上り坂のひとらしく華やかな気が立ちのぼる。
しん吉さんの「深山隠れ」
これが落語、講談ではないの、という意外な噺だ。
みな同門だから、なんとなく語りくちが共通

羽織を着ているひとと着てない人、
「真打ち」になると羽織姿なのかしら。
脱ぎかたにそれぞれ特徴がある。
噺家さんの和服姿、なかなかすてきである。
そのうち、出ばやしも聞き覚えられるだろう。

“たっぷり”聞き終えた後はふっくりと温まった。
速歩でバス停に急ぎ、小一時間で帰宅。
近くの催しは楽だ。

2008年2月6日(水)18:00開演
桂 さん都  「ろくろ首」
   雀五郎  「宿屋町」
   吉之丞  「肝つぶし」
   出丸    「向う付け」
   よね吉  「千早ふる」
   雀三郎  「神頼み青春篇」
   宗助    「蔵丁稚」
   しん吉  「深山隠れ」

|

« 生きることのせつなさは…「わが闇」 | トップページ | 明るく楽しく“乞食”が踊る「ベガーズ・オペラ」 »

コメント

すっかり落語通になられましたね。
羽織は二つ目から着れるかと思いましたが関西は違うのかなあ。

投稿: saheizi-inokori | 2008.03.19 23:33

こんばんは~m(_ _)m
コメントありがとうございます!
“羽織”についてはよく解らないのです(^^ゞ
確かに「前座」のかたは着てらっしゃいません。

チケットがたいそう取りにくく
(常打ち小屋が二カ所になりましたけど)
やっと5月に春団治師匠に巡りあえる予定です。

投稿: korima | 2008.03.22 20:33

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/78456/40197072

この記事へのトラックバック一覧です: ホールと神社…名人会と勉強会:

« 生きることのせつなさは…「わが闇」 | トップページ | 明るく楽しく“乞食”が踊る「ベガーズ・オペラ」 »