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2008.07.26

続けて春團治師匠を聴く

池田のまちは、むかしから落語の舞台になっているそうな。
その縁と、桂春團治師匠の出身地という両方で
市を挙げて、「春團治まつり」を開催している。

風の強いゴールデンウィーク、
京都の駅や梅田あたりは人でいっぱいだったが
ここまでくるとさすがに観光客の姿はなく
地元のひとないしは近くのひとばかりのようである。

石橋の駅前にはずらりと屋台の列。
商店街が協賛していて
アイスクリームや焼きそば、定番プラス大売り出しの幟、
賑々しく面白い。

駅から10分とチラシにはあったけど
住宅地の中を歩いているともっと時間がかかった気がする。
こんもりとした緑を見つけて近寄ると
そこがアゼリアホールのある公園だった。

設営された簡単な舞台に、
いましも落語家さんたちが
「始まるまでこちらでお楽しみ~」と
トークを繰り広げている。
物産の店もちらほら、
アイスは売り切れ直前で、思わずひとつ買って
日陰でもりもり食べる。
ますます日差しは強くなり、
風がやたらに吹く。

自由席のため、開演時間30分前には長~い行列。
明るくて広いロビーをもつこのホール
市役所のひとたちのてきぱきとした
整理が好もしい。
ここはチケット取るために電話しても
たいそう応対がよかった。

次々と噺が続き…
念願の春團治師匠の登場は大トリ
疲れた
なぜか、椅子がよくない
客席はとってもフレンドリーな感じの笑いが盛り上がって
こういう穏やかな雰囲気がいいなあ

春團治さんは真っ白のキモノ姿
思っていたより年より
肩の線がなだらかで、
声はとても小さくて上品
その前のヒトが大声だったので
耳を澄まさないと聞こえないくらい(笑)

演目は「祝のし」
他のひとでも聞いていたけど
ゆっくりした話っぷりである。
おかみさんと喜いさんのやりとりが
のんどりしていて微笑ましく、
艶やかな感じだ。

客席からかけ声がかかるのは
すごく面白
ファンなんだろうな。

羽織の脱ぎ方がまた品よく
肩からするっとすべりおちる
そのほのかな色気が
舞台にいるのはひとりなのに
そこにむかしの大阪が
そっくり出てきた気がして
なんともいえないよい気分
たとえて言えば
ほんのちょっぴり
よいお酒を飲んだようなほろほろ酔いの気分である。

噺の中味は
貧乏な喜ぃさんが
大家に向かって悪態をつくところがあるが
「…さらしてけつかんねん」と
息巻くくだりでさえも
春團治師匠にかかると
春霞がかかったように鷹揚に聞こえてくる。
それでも4時間は長く、
話途中でお辞儀をされて
やれやれ、とほっとした気分は否めない

でもトリなんだからもっと聞きたかった、のも事実。


それが一度目
さてついこの間
こちらは地元の市民寄席
回を重ねて○○回記念とかで
大きめのホールでの公演だった。
これも春團治師匠の出演と知って、即申込み
なんとか真ん中あたりの指定席が取れた。

どのひとにもたっぷりの時間が与えられていて
じっくりと噺を聞けた

師匠な中トリ
例によって白の羽織、白の着物(やっぱり綺麗だ)でご登場、
深々としたお辞儀、
座布団に上がるときのちょっとしたみのこなし
その前の噺家さんの
やや荒っぽい雰囲気はすっとぬぐわれ

はじまる噺は「祝のし」
まったく池田のときとおんなじだ。
緩急もほとんど変わらない。
二度目だと
面白いと感じる部分が違う。
というか、ふえる。

池田のときより噺はすこうし先まで進み、
“オチはどうなるんだろ”と
ふっと思いがよぎったとたん、
すっと両手が膝から下りて
「祝のしというおはなしでございました」と
お辞儀されてしまった。

そこで帰ればよかったのだが、
すっかり気分がよくなって、
中入りの後のマジックも、目新しいし楽しいし。
しっかりと拍手喝采。

大トリは笑福亭鶴瓶師匠。
とたんに客席は賑わい、拍手は倍くらいに音量がたかまる。
舞台で鶴瓶師匠をみるのは初めてだから
鮮やかな青みがかった色合いの着物の
きこなしもなかなかよい。

はなしかたもテレビの
「家族に乾杯」とまったく同じで、
活きの良い前ふりネタは面白かった。
噺のなかみも、鶴瓶ふうアレンジらしく
色もようもあるし、ドタバタもある。
(女の役がなかなかうまい)
客席はしょっちゅう沸きっぱなし。

「死神」というこの噺、
さきごろ狂言で観たことがあった。
筋立てはほとんどいっしょ。
ただ最後の部分が、鶴瓶ふうらしく、すこし違っていた。
落語というより漫談に近いのかな。
客をつかむ話術はたいしたものだったが
狂言でみたときのようなぴりっとした感じは受けない。

狂言の幕切れは、
茂山家の当主、千五郎師の「男」の必死さが
おのが命を繋ぐことに成功した、と思った瞬間ばたりと倒れる。
みているこちらははっと息を呑み、
そのままはなしは終わる。

落語のほうが粋なオチではあるのだがなあ。


※もっと早く投稿しておけばよかったのに…
引越その他でパソコンが使えず、こんなに遅くなってしまった。

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